• さくや

季節は廻り、世間では文化祭シーズンが到来する頃となりました。 我が校でも多分に漏れず本日は文化祭。 ―とはいっても、今日はまだ2日間にわたって開催される内の1日目、すなわち明日の一般公開に向けての最終調整を兼ねた学内限定公開日。 それに加えて我がクラスは、一番人気のない展示系。 人気の喫茶店などは上級生などが占めてしまうため、1年生には例年人気のない展示系のものと相場は決まっているのです。 これぞ学内カースト。 権力に屈するなど本来…とそんなことはどうでもいいので置いておきましょう。話が無駄に長くなること必死ですので。

そんな我がクラスですが、展示系ということでその説明のために2、3人が教室の入り口等にいるのみで、またそんな展示を好き好んで観に来る学生も当然皆無。ということになりますと教室内-その中でも特にカーテンで仕切られた裏のスタッフ用スペース-はもはやもぬけの殻という状態でした。

私は、やれやれこんなのでいいのかねほんとに、と言わんばかりに大げさに肩を竦め、その裏のスペースでお茶を飲みながら一人休んでいたのですが、ふとそこであるものが目に留まりました。 それは、紺ベースにピンクの肩紐がついた、かわいらしいけれどありふれたごくスクールバッグ。

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